ソニー初の据え置き型ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」、ヘッドホンの世界へ、「開放感」をもたらした!

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DAC内蔵ヘッドホンアンプ TA-ZH1ES ソニーストア価格250,000円+税

ソニーストア

さぁ、お待たせしました。ハイエンドオーディオファンの皆様。 
気づけば、海外発表どころか、国内発表のときですら、当店ブログではとりあげていなかったという・・・。我ながらなぜだろう?とギモンに思いつつ。 
今回は、公式Webにも登場している2名の開発者さんからも直接お話しを伺ったりもし、また、個人的にも、その音質にぶったまげ、超お気に入りのソニー製品にもなっちゃったこともあり、かなり気合いの入ったブログになるので、よろしゅうに。

●ざざっと、そもそもの話

まずは、簡単におさらいから。

ポタアンと、TA-ZH1ES(以下、ZH1ES)とはなにがちがうのか。 
バッテリー駆動=持ち運びできるのが、ポタアン。そもそも、ポータブルヘッドホンアンプの略がポタアンなので。 
対して、ZH1ESは、ソニー伝統のアンプ製品に用いられる、TA-型番からもわかるとおり、据え置き型=バッテリー非搭載、電源はコンセント。

ということで、ヘッドホンで音を楽しもうという人で、ハイ~ミドルエンド指向の方にとっては、大きく分けて、ポータブル系(ポタアンやウォークマンWM1シリーズ)か、今回の据え置きタイプのZH1ESか。という選択になるわけだ。 
つまり、屋内で一カ所に腰を据えて聴きたい。なら、ZH1ESをどうぞ。ってこと。

●開梱

続いて、ZH1ESのハード面のおさらいを、開梱しつつ。。。

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↑最初、入荷したとき、えええええええぇ、こんな輸送用の質素な梱包かよぉ(涙)早速、ソニーさんへ物申さないと・・・

↑ところが、梱包開けてびっくり!こんなキレーな箱が!!! 
どうやら、あくまで輸送用の箱で、本来はこっちが梱包箱のようだ。ソニーさん、気が利くじゃないっ!

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↑中のパッケージはこんな感じの、黒一色のシックなデザイン。

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↑二重底。底には、ちらりとZH1ESが見えるが、まずは、上箱をチェックしてみよう。

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↑リモコン、USBケーブル(PC、HAPシリーズ用)、ウォークマン用ケーブル(約40cm)。

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↑リモコン。DSEE HXや、DSD Remasteringボタンは、本体側操作でメニュー階層化なので、便利かも。

●スマホの対応

さて、ここで、スマホはどうやってつなぐのか?ウォークマン用ケーブルは同梱してたし。

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↑取説見てみたら・・・。別売り!!!! 
た、確かに、このクラスのアンプにスマホを接続する可能性が低いと言われると、納得できないでもないが。そんな高いもんじゃないんだし、付属してくれたって・・・。 
さらに、iOS機器用には、PHA-2Aなどのポタアンでは、フツーのUSB端子が用意されてたが、その端子もなく、、、特約店窓口に確認したところ、「想定しておらず、非対応とお客様にご案内ください」とのこと。ほほー。

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↑後日ブログでご紹介する予定のPHA-2A付属品一式。

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PHA-2A、PHA-1A、TA-ZH1ESは、microUSBデジタル入力端子が、ついに、統一された!これまでは、microUSBの横にある、ポッチが、太かったり細かったり、位置が反対側だったりと、同じソニーのポタアンでも、互換性がなかったが。今後発売される製品でも同じのでお願いしたい!

ということで、PHA-2A付属の、スマホ用ケーブル(約20cm)が、TA-ZH1ESにも使えるのだ!(音出し確認済み)わざわざ、変換ケーブルなんか使わず、ソニー印のケーブルを使った方がよくないかい?

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コールオンラインショップ

早速、当店オンラインショップで「取り寄せ」にはなりますが、取扱開始してます。

●こだわりを見てみよう。。。

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↑改めて、ツラガマエ。 
本体と比べて大きめのボリュームつまみの他は、各種ヘッドホンケーブル用端子類が勢揃いしてる。これほど多種にわたる端子類を備えてるのは珍しいかも。 
中でもポイントは、なんといっても、4.4mm5極バランス端子を装備してることだろう。ソニーが、他メーカーをリードして、普及に励んでいってくれるだろう。メーカー変わるたびにケーブルも変えないといけないのは不便すぎるからね。

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↑右側面手前には、WALKMAN用端子が。スマホ用ケーブルとは共用。

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↑天板は、、、これまた、すごいこだわりで。

その前に、まずは、シャーシーから語らねばなるまいっ!

シャーシーは、ESシリーズのF(Frame)B(Beam)シャーシ構造に、W(Wall)を加えた、FBWシャーシを新開発。そのWallが、、、

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↑オーディオ評論家の角田氏が手にしている、ロの字の物体。 
実際に、さわらせてもらったが、まじで、カチンコチンのガッチガチの固さ。ひねろうが引っ張ろうが、びくともしない。このWallは、なんと押出成形で、製造可能な最大サイズとのこと。なるほど。通常のAV機器の幅430mmサイズのシャーシーでは不可能ということか。で、さらに精度を出すために、機械加工で仕上げているとか。ガッチガチの固さと高精度を両立したWallということだ。 
ところが、音っていうやつはやっかいなもので。これだけ、硬いWallを使うことで、音に大敵な振動を完全に殺せるわけだが、やりすぎると、変な鳴きがでるとか。昔は、マニアな方々が、アンプは天板をとっぱらうと、開放感のある音が出る。なんて言ってたが。ZH1ESでは、ガチガチのWallに対して、

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↑天板四辺を、Wallに対して、隙間をあけて固定することで、「逃げる」ようにしているそうだ。天板をとっぱらうのと近い状態になるようチューニングしてるそうだ。こだわりがすごい。。。 
しかし、組立てが、大変そう^^;

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↑背面。ポタアンでは考えられない、充実の端子類。 さすが、据え置き型。 
光&コアキシャルデジタル入力、PC用USB-B(プリンターと一緒のやつね)(取説にもまだ記載されてないが、先日のアップデートでHAP-Z1ESと、HAP-S1もデジタル出力が可能になり、それらもこの端子で接続可能)、そして、RCAピンでのアナログ入力と、プリアウトと。プリアウトがあるってことで、内蔵のアンプ(S-Master)を使わず、DACに徹することも可能ってわけだ。

では、この豊富な入出力の活用法をご紹介しよー。

 

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↑詳しい人なら解説無用だろうが。当店シアタールームでの実際の接続。

まずは、ZH1ESは、DSDリマスタリングエンジンにより、アナログ入力ですら、DSC11.2MHz化が可能。設計者陣も、PC-HX500をつないで欲しいとおっしゃってる。 
手持ちのアナログ機器や、光orコアキシャルデジタル出力機器も、そのまま、入力ができる。そして、先に説明した、HAPシリーズは、USBで接続できる。 
そして、ここが、ポイント。本体ボリューム調整ができる可変出力と、レベル固定出力が可能な、プリアウトがあるため、それらの入力機器をDSDRemasteringエンジンを通した音として、出力できるのだ。DACとしての使い方っすね。2chピュアオーディオアンプに接続してやれば、スピーカーで高音質で楽しめる。また、設計者陣は、パワードスピーカーユースも狙っているそうな。

とまぁ、高音質化を図れる、オーディオセンター的な役割をこなせるのだ、ZH1ESは。すげー。

もちろん、本業のヘッドホン出力も忘れちゃいけない。様々なヘッドホン出力端子を備えているから、自由にヘッドホンを選べ、8Ω~600Ωと対応インピーダンスも幅広い、出力も当然余裕がある。(バランスで、1,200mW+1,200mW)

で、まとめると、ヘッドホンアンプ単独でも一級品として使えて、プリアウトをアンプへ接続することで、オーディオシステムへ組み込め、気分にあわせて、ヘッドホンorスピーカーを堪能できるわけだ。しかも、高性能なDSDリマスタリングエンジンを使って。 
まぁ、なんと、拡張性の広い、ヘッドホンアンプだこと♪

●PCで使うには?

さて、ここで、PC入力の本来の使い方の話をしとこー。 
Windowsでは、標準USBドライバーではなく、ソニーさんが用意した専用のドライバーを使おう。

TA-ZH1ES USB端子用ドライバーダウンロード

で、、、再生アプリはこれ↓

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ソニーさんは、Hi-Res Audio Playerをイチオシで、Media Goは、使い慣れた音楽プレーヤーもそのまま使えます、の中に含めちゃってるが。 
どう考えても、Media Goのほうがいいんですが?ソニーさん。 
Hi-Res Audio Player使う理由を探すとすれば、DSD 22.4MHzに対応してるくらいしか・・・。(そんな音源見たことないけど・・・)とにかく使い勝手が悪いという印象。このアプリは。

ということで、当店では、音源の購入、管理、転送、再生から、CD取り込みまでこなしてくれる、Media Goを推す。

ってことで、その設定。

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↑ドライバー入れた後、ユーザー設定のオーディオ出力で、ASIO機器の中から、sony headphone Amplifer Driverを選ぶ。これだけ。

説明不要なほど簡単だけど、PCと同じUSB端子使うってことで、HAPシリーズの使い方を。。。HAPの設定で、デジタル出力をAUTOにするだけ。デフォルトでそうなってるはずだから、実質は、USBケーブルつなぐだけで、音が出るはず。

●店長野田自身の1stインプレッション

はじめて試聴させてもらった組み合わせが、ZH1ES+キンバー+MDR-Z1R。 
そのとき真っ先に思ったのが、Z1Rのすばらしい空気感の表現と相まって、すごく音が広がるなぁと。まるで、スピーカーで聴いているのかと錯覚しそうだったのを覚えている。 
さらに、当然、スピーカーじゃないから、試聴ルームのチューニングが影響することもなく。つまり、どこで聴いても、チューニングが完璧に施された場所で試聴しているかのごとく。。。

当店店頭展示開始されてから、さらにじっくり試聴してみたが。 
基本的に、Z1Rとの組み合わせをおすすめしたいが、他のヘッドホンでも、広がり=開放感は、同じような印象。設計陣もおっしゃっているが、「空間性」を大事にしていると。スピーカーと違い、頭の中で音が鳴っているような・・・これを解消したいとも。

音色としては、解像感が高いというよりは、緻密な音の表現が上手といったほうが適切か。女性ボーカルの本当に繊細なブレス音までも再現してる。さらに、無音に近い静寂のような情景までもしっかりと表現している。また、力強い音の表現も豊か。ダイナミックレンジが広いという感じ。豪快さと繊細さを兼ね備えている。

新開発の画期的なアンプ「D.A.ハイブリッドアンプ」や、DSEE HX、、、その他、盛りだくさんの高音質化技術総動員してても、そんなのどうでもいい!もう、すごくナチュラルに音楽に没入できてしまうのさ。それもこれも、やっぱり、音の広がり。これにつきると思う。ソニー製品総じて、ヘッドホン再生のフラッグシップなのは間違いない。

ずばり言うが、ウォークマンWM1シリーズを検討してる人。今一度、音楽試聴スタイルを見つめ直してみよう。据え置き型のほうがしっくりくるんであれば・・・ZH1ESを検討してみてはいかがだろうか? 
ん?店長野田はどうかって?迷わず、WM1Zっすよ。実際そうしてるしねぇ。場所にしばられる視聴スタイルは合わないので・・・。

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今回の試聴音源もZ1Rのときと同じ(ほんの一例・・・)

・絢香 三日月 
・Michael Jackson Beat It 
・いきものがかり ラストシーン 
・RADWIMPS 前前前世(movie ver.) 
・John Coltrane Quartet Say It 
・Karajan Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125, ‘Choral’: IV. Presto – Allegro assai – Prestissimo, (Ode to Joy) – (1955 – Experimental audio) 
・Kalafina 君の銀の庭 
・SHANTI Aqua’ Lullaby 
・辻井伸行 英雄ポロネーズ(ショパン) 
・E-girls Follow Me 
・宇多田ヒカル 道 
・宇野ゆう子 サザエさん 
などなどなど、以上ハイレゾ

・Tina I’ll be there – Album Version 
・E-girls Dance Dance Dance 
・Sheffield Lab Drum Improvisation1 
・SEKAI NO OWARI RPG 
・吉田仁美(ムーコ)SUKI! SUKI! SUKI! 
・765 PRO ALLSTARS READEY!!(M@STER VERSION) 
・AKB48 恋するフォーチュンクッキー 
などなど、非ハイレゾ

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設計陣とオーディオ評論家との、まさに、トークショー!!!